宇都宮隆
 1996.8.17(Sat.),18(Sun.)日本武道館
 宇都宮隆 TOUR '96 "easy attraction" FINAL



日本武道館のこの2daysが今回のツアーの最終公演となりました。
そういえば、去年はBoyo-Bozoのラストも武道館だったし、その前のT.UTUの時も武道館だったっけ。で、そのラスト公演、どっちも見に行ったんです。

今回は、T.UTUでもなく、石井君とのユニットBoyo-Bozoでもなく、ただの「宇都宮隆」名義でのライブだったわけですが、正直言って、どのようなものになるのか、あまり想像出来ませんでした。T.UTUの時が70年代を彷彿とさせる裾広がりのパンタロン姿でのプログレっぽいロック、Boyo-Bozoの時がチーマー姿での打ち込みポップス、というもので、あまりにも両極端なものだったわけで、このどちらでもない(勿論TMNの「ウツ」でもない)「宇都宮隆」という人間がどのようなライブを見せてくれるのか、非常に期待をしていたのです。

さて私の席はというと、17日がアリーナLブロック最前列、18日がスタンド2階というものでした。どうせなら大ラスの日にアリーナで見たかったのですが、まぁしょうがありますまい。

で、中身。
オープニングは"easy attraction"から、"Kiss Will Kill me"。その後立て続けに3曲。疾走感十分、勢い十分、気合い十分、とにかく飛ばすウツ。ダンスのぎこちなさは今だ健在(笑)だけど、それにしてもイイ!ノリノリ(死語)です。素晴しい\(^^)/。
その4曲が終わると、ウツを取り巻くように、TVカメラやマイクを持ったレポーター役のダンサーが数人登場。怪しい雰囲気が漂います。すると、ウツに向かって質問。
「今回、"宇都宮隆"という名でコンサートを行うわけですが、どのようなお気持ちですか…?」
「ライブでのご自分と、ステージを離れたご自分とでは、どちらが本物の"宇都宮隆"なのですか…?」
最初はレポーター役の質問にてきぱき答えているのだが、「普段の自分」「ステージ上の自分」「そのギャップについて」という質問をされると、段々考え込んでしまうウツ。…、そうか、今回のライブはこういう事らしい。「どれが、あなたの本当の姿ですか?」とね。

質問を投げかけられ、戸惑いながらそれでも歌を歌い続けるウツ。それまでの派手なステージ衣装から、白いTシャツにオレンジのジャケットに綿パン(ウツはいつもはこんな格好はしない)というラフな格好で、いかにもオフステージ、という姿を強調させながら歌います。さらっと歌う"GUN&RUN"がいいですね。
そんな格好で歌うウツですが、自分の後ろには大きな鏡が置かれています。その裏側にはこれまた怪しい、悪魔のようなモノが潜んでいて歌の合間に現われたりするのですが、これは多分、自分の性格のなかに隠れているモノを表わしているのでしょうね。

ライブはステージ上にいる多くのダンサーたちを交えての形で進みます。男性も女性も、今回は人数が多い。ちょっと多すぎかなとも思うけど、何せウツのライブなので、きっと必要なのだと思う(笑)。

アンコール。このアンコール、私には衝撃的でした。だってだってだって。

Be Together、これですよ。このライブが始まる前、なんかイヤ〜な(笑)予感がしてたんですね。それが何だったのか、今わかったぞ!って感じ。なんでだよー。なんでTMやるんだよぉ、ウツぅー!もー、ほんとに、私の口から出てくるのは、「なんで?なんで?どうして?」ばっかりだった。だってさぁー、なんでー?(ホラ、また言ってる)って感じじゃん!

泣きました。私、涙が流れました。あの東京ドームで見た、TM NETWORKを思い出して。泣きに泣いて、とてもじゃないけど、ウツの顔を見られませんでした。見られないっていうかね、見えないんだよ、涙で。…ダメですね、TMをやられたら。

そして2日目。この日は、スペシャルゲストにDJ KOO from trf。そのKOOちゃんが「じゃあちょっと」と言って始めたのがSELF CONTROLのスクラッチ。これも泣きまくり。メチャカッコいいんだけどさ、お願いだからやめてけれ、って感じ。しかもその後にやったのがDIVE INTO YOUR BODYだもの…。追いうちかけないでよ〜…。

お客さんはみんなノッてましたよ。"we say YES!"だって、誰一人として忘れてなかった。ウツに向けてみんなが指す指先。一緒に歌って、飛ぶ人たち。けどそれが、私にとっては逆に、TMをどんどん思い出させてしまって、ホント、涙で前が見えないくらい。声に出して泣いてしまうくらいでした。楽しかったし面白かったし、(本当は)嬉しかったのだけど、悲しくもありました。
…こう思ったのは、私だけなのかなぁ…………。


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