角松敏生
 1999.1.30(Sat.) 神奈川県民ホール
 TOSHIKI KADOMATSU 1998〜1999 TIME TUNNEL TOUR


えーと、本人アルバムを出すのが7年ぶりだそうで、ツアーもそれくらいぶりだという事らしかったです。一度は見てみたかった人、角松敏生。初心者な私だけでなく、ファンは彼の復活をさぞかし待っていた事でしょう。一緒に行った友人の話によると、カドマツ(と呼ぶのがいちばんしっくりくるな、私は)のインタビューが載った「ADLIB」誌は、買いたくても買えないという状態だったそうです。どれだけ人気が高いか、復活を待っていた人が多かったか、を物語ってますね。

(友人が言うには)ファンクラブで取ったのに3階!という席で、高所恐怖症の私はおそるおそる見てました。う〜、高い。ステージはえらい遠いけど、それ以前に恐い。けど、びくびくしながらも、カドマツの登場を待っている私、ううん、このライブ前の緊張感、私はすごく好きだね。

オープニング。"TIME TUNNEL" でスタート。インストゥルメンタルという事で本人は出てこず。客席もまだ静かである。アルバムよりも力強く聞こえるその曲の後、じゃじゃーん、本人が颯爽と登場。…うわぁ、上下黄色のスーツ姿…(^_^;)。私は思いきり「うっひゃぁ〜!」と、それこそ両手を挙げんばかりに驚いたのですが、どーも周りはおとなしーく見ている様子。…あの姿を見ても驚かないとは。客が見慣れているのか、みんな驚いているのか、…どちらだったのか…。

まぁ、けど、それも見慣れると何とも感じない(笑)というかなんというか、私は次第に、彼の世界へ引き込まれていきました。脇に置いてあるギターを肩にかける時も、決して急ぎもせず、そのままスッ、と歌に入る彼の姿は「ちょっとキザっぽいけどカッコいい」みたいなものがあって、歌に「洗練されてる」とか「都会的」とかいう言葉が似あう事も含めて、(私に言わせれば)水の流れのように進むライブ、なのでした。なんかなー、「オトナ」って感じ。ステージの上で流れている時間がゆったりしてるんだもん。見ていて落ち着く。一挙一動を見逃さないようにしないと、なんていう事ないんだもん。曲だけ聞いてればいいっていうか。

ところで、私は角松敏生が嫌いです(笑)。なんでかっていうと、この人は、言ってる事とやってる事が一致しないのです。矛盾してるのです。

こないだWOWOWで、武道館のライブやってたんで、見たんです。そしたら彼はそこで、「今の音楽業界は腐ってる」みたいな事を言ったんです。音楽を私物化してるとか、モノ化してるんじゃないかとか、ぱっとでてきてぱっと消えるようなものはダメだとか、そんな事を言ってました。で、プロデューサーはやりなのも気に入らないらしく、「プロデューサーは表にでてはいけない」とかいう事も。

で、別に、彼がそう思う事は何とも思わないんですが、あなたの番組で、あなたにインタビューしてるんだから、まず、あなた自身の事について語るべきじゃないのか?と思うわけです。しかも、あなたちょっと前にプロデュース業やってたくせに。…ってのがあって、「なんじゃコイツ」って感じだったのです。でー、この日のMC。

「おかげさまで久々に出したアルバムがオリコンで3位になりまして……上は浜崎あゆみとJ-FRIENDSで、まぁ、こんなのはハナから相手にしてないんで、別に何枚売れようが構わないんですけどね(場内爆笑)」と言ったんだけど、でもその一方で、「……もうちょっと売れないかなーとかは思ってるんですけどね」とか言ってる。ようは、他人が売れるのは「構わない」「相手にしてないから」と言うくせに、(結果的に)その人たちが売れている事は悔しくて、なんで自分のはそれ以上売れないんだ」って思ってるんですね。それは違うだろう、と私は思うのです、なんでそのCDが売れるかってのは、曲の善し悪しとか、プロモーション活動とか、いろいろな結果なわけで、その手法についてあーだこーだ言ったってしょうがないと思うのです。上のインタビューの時と同じように、売りたいなら曲のクオリティをあげるとか宣伝を派手にするとかしなきゃいけないと思うのですね、それをしないなら、他人の事をとやかく言ってもしょうがないと思うのですね。

けど、彼がちょっとでもやる気を出したとしたら、確実にあるところまで売れるはずだと思うんですよね。彼にこういう、他人を批判するところがなければなぁ、もうちょっと私は彼の事好きになれると思うんだけどなぁ。今のところは、CD買ってたまにライブに行くくらいかなぁ(笑)。


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