Mr.Children "深海"

1. Drive
2. シーラカンス

「シーラカンス」は何を指しているのか?
それがわからないと、このアルバムはわからないでしょうね。
社会なのか、個人なのか、自分なのか他人なのか…。
生と死、理想と現実、そして矛盾、こういったテーマで、このアルバムは 出来ています。 そこから何を見つけるか、それは自分次第ではないでしょうか。

3. 手紙

4. ありふれたLove Story〜男女問題はいつも面倒だ〜

「男女問題はいつも面倒だ」ねぇ。確かに、その通りだと思いますけれども (以下自粛)

5. Mirror
6. Making Songs
7. 名もなき詩
8. So Let's Get Truth

思わず長淵剛かと思いました(笑)。サクライ君、どうしてそんな歌い方し ちゃったのさ、と言いたくなるような。
でも、この中の歌詞で、
「団塊の世代が産んだ愛の結晶は 今日もwalking on the street」
ってのがありますが、なんかこれ、くるものがあるんですよ。 親は子供にいろんな事期待してるんだよねぇ。でも、子供は親の期待に 応えてるかっていうとそうじゃないだろうし、なんていうんだろう、 自分こんなにフラフラ生きてて(いや、フラフラしてるわけじゃないけどさ) いいんだろうか?とか考えこんでしまうんですよ。

9. 臨時ニュース
10.マシンガンをぶっ放せ

これが、”花 - Memento-Mori -”と双璧をなす性格の歌でしょう。

11.ゆりかごのある丘から
12.虜
13.花 - Memento-Mori -
14.深海

曲の流れから言うと、あたかも最後には死んでしまいました、と言わんばかりの 歌ですが、私には「こんな事もあるけれど、そんないくつもの障害を乗り越えて 生きて行こうよ」という風に読み取れました。
深海にいるシーラカンスは、もう絶滅したと思われているから、そこで生きてい ても意味もないし、誰も気付かない。でも、水面に浮かんでくれば注目も浴びる し、意味を持つようになる。人間だってそれと同じ事。ただ水面下で過ごしてい ても、それは誰も気付かないし、そんなの自分が可哀想じゃない?だったら、自 分の可能性を求めて、期待して、生きていけばきっといい事あるって。

さて、
 アルバム『深海』の発表は、Mr.Children にとっては大きな転換になるもの だと思っています。前作『Atomic Heart』でも社会派のイメージは見え隠れして いたのですが、『深海』によってそれが全面に表れています。
雑誌 Boon の中で氷室京介氏が言っています、「桜井君は、今まで作り上げたもの をぶち壊そうとしている。男らしい。」と。男らしいかどうかは別としても、「今 まで作り上げたものをぶち壊そうとしている」のは本当かもしれません。
同時に、私は一つの仮説を立てています。それは、このアルバムの発表で、ミスチル はファン層を変えようとしたんじゃないだろうか。という事です。

多分、つまらないと思う人はどこまでもつまらないアルバムだと評価するだろうし、 「深海」のテーマにはまった人だったら、ミスチルの事を見直すかもしれない。 もしかして、これってすごく評価が分かれるアルバムではないのかな?と思う訳で す。氷室氏の言う通り、別にこんな重いテーマのアルバムを出さなくても、今まで 通りのライトポップなアルバムを出しておけば、そこそこ売れるのは目に見えている んです。それをあえてこのようなアルバムを出したというのは、ただ単に社会派に 蔵替えしたかっただけなのか、それとも、わざとなのか。どっちでしょうねぇ。


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